乳がん治療から自家組織による乳房再建までの長い道のりと体験

私が右胸に気になるしこりを見つけたのは37歳の時でした。
何気なく触った右胸にこりこりとした感触があったのです。
まさかという思いが頭をよぎりましたが、その時は特に検査などは受けませんでした。
それから半年後、右胸のしこりが大きくなっていることに不安を覚えた私は、乳房の精密検査を受けることにしました。
検査の結果、右乳房に2cmほどのがんが見つかったのです。
私は医師のすすめにより、手術前に抗がん剤による乳がん治療を行うことを決断しました。
がんを切除する手術の前に、少しでもがんを小さくし、がんを取り除きやすくするためです。
半年間に及ぶ抗がん剤による乳がん治療は成功し、がんは驚くほど小さくなりました。
医師からは、乳房の一部だけを切除する乳房温存手術が可能であることを告げられましたが、私は乳房をすべて摘出する乳房切除術を選択しました。
乳房を残すことで、がんの転移や再発の不安を拭いきれなかったからです。
それから手術は成功し、一週間の入院を経て、無事に退院することができました。
術後の経過は良好で、体力も徐々に回復していきましたが、失った右乳房が気になって仕方ないのです。
そこで私は、手術により失った胸のふくらみを取り戻すため、乳房再建を行うことにしました。
乳房再建には、シリコンの人工物を使う方法と自分の体の一部である自家組織を使う方法があります。
私が選んだのは自家組織を使った乳房再建でした。自分の体の脂肪や筋肉を移植して、人工物ではない自然な乳房を取り戻したかったからです。
1年半後には、乳輪乳頭の再建も終わり、私はようやく乳がんを乗り越えることができました。